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乱雲 ― 松本清張 ― ネタバレなしの読後感想


武田信玄が北上を進め、北部信州を支配下におさめようとし、上杉謙信との川中島での決戦を迎えようとするときに、報われない農作業に嫌気がさして合戦を機会に出世をしようとする百姓を生きざまを描いた「乱雲」と、武田信玄が生きてきた道を描いた「信玄軍記」が収められています。
「乱雲」については、楽しく読ませてもらいました。時代が生んだ不幸と、時代が人々の心をむしばむ変遷を感じ取りました。現在にも通じるようなストーリーです。
「信玄軍記」は、軍記ものとしては紙数が少ないため話をはしょっている感があり、不足感を感じます。川中島の合戦を描いた部分でも、臨場感が不足しているように思えました。

乱雲

カバー装画 村上 豊

<収録>
乱雲
信玄軍記

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「信玄軍記」と「乱雲」は同じ素材にもとづきながら別の展開をしめしているが、しかしこの二作をあわせ読めば、信玄をめぐる戦国期の時代相を知ることができるし、同時に松本清張の人間観、歴史観をうかがえる。「乱雲」は二年後に書かれた「野盗伝奇」の世界につながり、後に江戸期を背景とする伝奇小説に発展する原型といえるが、「信玄軍記」はその後の史記物に糸をひく作品であろう。二篇の初期作品はそうした彼の文学世界のひろがりを、ここに暗示しているようだ。(中公文庫 裏表紙から)




<作家紹介>
明治42(1909)年、福岡県小倉市(現・北九州市)に生れる。昭和28年「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。31年、それまで勤めていた朝日新聞社広告部を退職し、作家生活に入る。38年「日本の黒い霧」などの業績によりジャーナリスト会議賞受賞。45年菊池寛賞受賞。「点と線」「日本の黒い霧」「現代官僚論」「昭和史発掘」「古代史疑」など多方面にわたる多くの著作があり、「松本清張全集」(Ⅰ期38巻、Ⅱ期18巻、文藝春秋)が刊行されている。(文春文庫 カバーそでから)









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