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邪法剣 ― 柴田錬三郎 ― ネタバレなしの読後感想


著者が子供の頃に聴いた、故郷に伝わる黄金伝説の思い出話から始まる、おどろおどろしい伝奇「木乃伊館」は、思い出話からスーッとストーリーに入っていく手際に驚かされる。
幕末から明治にかけて、思いを込めて刀を打った刀鍛冶を描いた「一心不乱物語」。
眠狂四郎を少しだけネタにした「贋物助太刀」と「義理人情記」。薩摩藩内で認められない立場でありながら、刀をとらずに示現流をふるった若者の話、「無刀の志士」。武士として、国辱をはばんだ混血の双子の話、「長崎奉行始末」。完璧なストーリーの『忠臣蔵』を、著者が自在に料理した「時世」。柳生宗巌の四男が辿った、厳しくけれんみの無い剣の道を描いた「柳生五郎右衛門」。戦国時代に剣聖がいう邪法とはなにかを問う「邪法剣」。いずれも異なるタイプの筆致で書かれており、筆者の能力の高さを感じさせられます。

邪法剣

カバー装画 田代素魁

柴田錬三郎の他の作品



 「無敵を誇る者の剣を、いかに弱くするか ― そこに真影流の理を置く」と将軍・足利義輝に説く剣聖・上泉伊勢守の武芸譚を綴る表題作。備前の「黒井館」にまつわる黄金伝説と幻の剣法かげろふ太刀により真二つにされた冑。全てをつなぐ謎の剣士、山下新八郎の行方をたどり、妖気漂う伝奇小説「木乃伊館」。他に眠狂四郎市井譚の内から「贋物助太刀」「義理人情記」を含む全9編を収録。(新潮文庫 裏表紙から)




<作家紹介>
1917年3月26日岡山県生。本姓斎藤。慶大支那文学科卒。在学中『三田文学』に「十円紙幣」を発表。戦後編集生活を経て、51年「イエスの裔」で直木賞受賞。代表作「眠狂四郎」「赤い影法師」他。(集英社文庫から)
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