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大盗禅師 ― 司馬遼太郎 ― ネタバレなしの読後感想


「不思議の国のアリス」のごとき現実離れした幻惑の世界に、豊臣方についた敗残武士の息子が入り込んだことをきっかけとして始まる、摩訶不思議な時代小説です。時代は、陳舜臣著の「風よ雲よ」と同じ、江戸時代黎明期(三代将軍家光の治世)。中国では明の末期であり、この小説にも鄭成功、蘇一官が重要な役柄として登場する。さらには由比正雪までもが登場する。
1968年に週刊文春に連載され、1969年にポケット文春から単行本として出版されたものが、2003年に文庫本として復活したという、いわくありげな小説です。なぜか著者司馬遼太郎氏は、この小説を全集に収録することを拒んだそうです。
冒頭にも書いたように、現実離れした幻惑の世界に入り込んだことを端緒としていますが、伝奇小説でもなく、著者が得意としている歴史的事実に忠実に沿った小説でもありません。
摩訶不思議としか言いようのない、500ページにも及ぶ娯楽大作と言ってもいいかもしれません。一部の人が毛嫌いする、小説を通じての説教くささもないので、純粋にエンターテインメントとして読んでみてはいかがでしょうか。
(文春文庫)

大盗禅師 司馬遼太郎





<作家紹介>
大正12年(1923)、大阪生まれ、大阪外語大学蒙古語学科卒業。戦後まもなく、産経新聞社に入社し、文化部記者となる。昭和34年、『梟の城』により第42回直木賞を受賞。
36年出版局次長を最後に産経新聞社を退社。同42年『殉死』により第9回毎日芸術賞を受賞。主なる著書、『上方武士道』『豊臣家の人々』『国盗り物語』『竜馬がゆく』『坂の上の雲』『空海の風景』ほか。(中公文庫から)





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