カペー氏はレジスタンスをしたのだ ― なだ いなだ ― ネタバレなしの読後感想
表題を含む8作の短編小説を収録しています。
精神科医でもある作者が、診察などから感じたことを題材としていることが伺えます。第二次世界大戦後まだ間もない時期のことであり、戦争によって精神にダメージを受けた人が多くいたことに現在の日本との隔世を感じます。人の心の脆さと、その脆さを補おうとする心のありようを其々の作品で描いています。作者のボキャブラリーとフランス文学の知識の豊かさが作品に彩を与えています。

カバー装画 山本美智代
<もくじ>
・カペー氏はレジスタンスをしたのだ
・天国泥棒
・神話
・くじらと幻視者と
・小さき町より
・こんにちはじいさん
・聖マリ
・爆発
人間の心の深奥にひそむ不可思議なメカニズムとは? かつて対独地下組織の勇士だったカペー氏は、何故にアル中患者になったのか? 若き精神科医として、フランス留学中に材を得た表題作ほか傑作七篇を収録。(集英社文庫 裏表紙から抜粋)
<作家紹介>
昭和4(1929)年、東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。
精神科医として勤務するとともに、文筆業をつづける。
医学書や留学先のフランスにまつわる小説やエッセイを多く執筆。
平成25(2013)年没






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