丸谷才一(まるや さいいち)
芥川賞など数々の賞を受賞し、文化人とはこういう人のことをいうのだなと思わされた。
市井の人ではなく、社会を批評する知者としての丸谷さんの作品を大学生のときに読んだ。
旧仮名遣いには悩まされたたが、文章は整然としており読みやすかったと記憶している。
<作家紹介>
大正十四年(一九二五)、山形県に生まれる。東京大学英文科卒。小説家、批評家。「年の残り」で第59回芥川賞を受賞。「たった一人の反乱」で第8回谷崎賞、「後鳥羽院」で第25回読売文学賞(批評・伝記部門)を受けた。
主な著書に、「エホバの顔を避けて」「笹まくら」「横しぐれ」「梨のつぶて」「日本語のために」「文章読本」「日本文学史早わかり」「コロンブスの卵」「遊び時間」12など、訳書に、グリーン「ブライトン・ロック」、ジョイス「ユリシーズ」(共訳)「ポー名作集」などがある。
・遊び時間
火の粉を払うためのやむを得ぬ論争から円満な推薦文、充実した書評、小説家の内幕話から映画感想まで、ずらりと並んだ藝の見本帖。小説書く以外の「遊び時間」に秘術を盡して書かれた、読むスリルと楽しみあふれるエッセイの粋。(中公文庫 裏表紙から)

カバー装画 山藤章二
・食通知ったかぶり
「・・・・當節のはやりもの、文化とやらは唱えずとも、神髄凝って腹中にあり、こころざし高く、手は速く、本懐とげし顛末は道中の巻物に記されて、すなはちこれ味の名所記、上鹽梅の筆の綾は雅俗ともによろこぶ文場の奇觀なり」とごぞんじの夷齋學人・石川淳の序で華やかに幕開き、和漢洋料理に文明批評の香料をきかせた樂しい本。(文春文庫 裏表紙から)

カバー装画 駒井哲郎
・にぎやかな街で
広島に原爆が投下されたあの日、三角関係のもつれから妻を殺害したと年下の友人に打ち明けられた男の困惑と真情を軸に国家と個人の関係を日常性の中で追及した表題作など三篇を収録。出世作「笹まくら」や近作「裏声で歌へ君が代」などで展開されたテーマ”国家論“がここでもみごとに料理されている。(文春文庫 裏表紙から)

カバー装画 篠田桃紅
・たった一人の反乱(上)
防衛庁行きをことわり通産省から家電会社に天下りした馬淵英介が二十も歳下のモデル嬢ユカリと再婚したことから巻き起こる異変の数々! 新居に転がりこんできた刑務所がえりの老女。献身数十年の女中の独立宣言―難問にたちむかう知的精神を通して現代日本の市民相に迫る問題作。谷崎賞受賞・全二巻。(講談社文庫 裏表紙から)

カバー装画 アントニオ・ロペス
・たった一人の反乱(下)
機動隊に突撃してゆく刑務所がえりの老女。写真賞の授賞式で爆弾発言をする若いカメラマン―大揺れに揺れる現代日本のそれぞれの場所はじまったさまざまな反乱! 市民社会をささえる見えざる奴隷制度と支配の構造を裁き、一方既存の小説作法にも決然と切りこんで現代小説の一達成をきわめたとされる名作。(講談社文庫 裏表紙から)

カバー装画 アントニオ・ロペス






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